いのちの風の中に生きる
映画「風に立つライオン」を
観てきました
最も印象に残っているのは
主人公が
少年兵として9人を殺したという少年に語りかける場面です
「お前は9人の命を奪った。
それなら
一生をかけて10人の命を救うんだ。
いいな?
未来はそのためにあるんだよ。」
You took the lives from nine people.
So, now,
you have to spend your life saving ten lives.
You understand me?
That's what the future is for.
命を奪ったら命で支払うべき
人を殺せば殺されるのが当然
という考え方があります
ある意味
納得できる考え方です
でも
二人以上の命を奪った人は
もっと言うなら
戦争などでたくさんの命を奪った人は
どうやってつぐなうことができるのでしょうか
奪われたものを奪い返す
というあり方は
恨みを積み重ね
出口のない苦しみの中に封じ込まれてしまうだけではないか
そんなことに
私たちは
信じられないくらい膨大な犠牲を払って
気づき始めています
それは
奪われた人たちの
想像を絶する体験があってのことです
「つぐなう」
こともまた
いのちをつなぎ はぐくむ
という
“生物が歩んできた道筋”の中にあるのが
望ましいというか
自然なのではないかと、
いえ
そうあってほしいと、
まだ
うまく言葉にできませんが
強い意志のようなものとして
私には伝えらえました
そしてもう一つ
心に強く残っているのは
アフリカの広い空と大地
1993年から94年にかけての年末年始に
3週間
初めてアフリカへ行った時のことを思い出しました
(写真はすべてその時のものです)
今でもありありとよみがえるのは
サバンナの広い大地と広い空
テント一枚隔てて感じる野生動物の気配
そして
そこに昇る朝日
と
吹きわたる風
アメリカをバスで横断した時に通った
地平線が延々と続く広い大地には感じられなかった
どこか
なぜか
懐かしい感じがありました
そして
なぜか
苦しいときに思い出し
私の存在を奥深くで支えたくれたのが
彼の地で出会った子どもたちの笑顔だったのです
*
たぶんこの映画の公開に合わせて
先ごろ再放送された
テレビドラマ「JIN-仁」でも
大沢たかおさんが医師を演じていました
その中の
「死んだ人たちが生まれてきたいと思える世をつくる」
ということばも
また
今回の映画とつながり
私たちの進むべき道標となるのではないでしょうか
<こちらはトランジットで一泊したムンバイの子どもたち>
僕は現在[いま]を生きることに
思い上がりたくないのです
空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命[いのち]を生きたい
キリマンジャロの白い雪
それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい
【「風に立つライオン」の歌詞より】