あと
先日訪ねた先に
江戸・宝暦年間に飛騨三長者と呼ばれた方の住まいが
移築されていました
この家があった地域が
ダム建設によって水没することになったため
持ち主が寄贈されたとか
ノミの痕が印象的な柱は
写真に撮ってみると
まるで
現代美術のオブジェのようです
やわらかく波打つ
艶やかな
木肌を見ていると
当時の息吹が伝わってくるような気がします
時空を超えて存在してきたものを
実際に
この手に触れることができる
不思議
確かな存在感と
いまここには存在していないけれど
確かに感じ取ることができる
そこに刻まれた痕跡
つくづく
「物」
は
おもしろい
「物」
という場において
顕在と潜在
現在と過去
が
ひとつらなりになり
それが新たな生命を得て
生き生きと
わたしたちに語りかけてくれます
わたしたちが
次代に残し伝えていくものは
名でも業績でもなく
そんな
いのちのいぶき
なのかもしれません
<板を貼りわせたように見える階段の踏み板
こちらも彫りによる模様です>