おりおりに 出逢った      「すきなもの」を      縦横無尽に ご紹介
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かくされしもの


祖谷地方に 下記のような伝承があります。


小学生の頃だったでしょうか、

ある本(*たぶんこの本です。表紙の絵に かすかな見覚えが…)に 

埋蔵金を示す暗号として紹介されていたこの歌が

なぜか 意識のどこかにずっと残っていました。


当時は 暗号を解読して埋蔵金を見つけるんだ!

と思っていましたが(笑)、

これは 埋蔵金というより

無限の富を生み出すであろう「知」について

示した歌のように観じます。

 



「みたからの歌」


九里きて 九里行って 九里戻る
朝日輝き 夕日が照らす
ない椿の根に照らす

祖谷の谷から何がきた
恵比寿大黒 積みや降ろした
伊勢の御宝 積みや降ろした

三つの宝は 庭にある
祖谷の空から 御龍車が三つ降る

先なる車に 何積んだ
恵比寿大黒 積みや降ろした 積みや降ろした
祖谷の空から 御龍車が三つ降る

中なる車に 何積んだ
伊勢の宝も 積みや降ろした 積みや降ろした
祖谷の空から 御龍車が三つ降る

後なる車に 何積んだ
諸国の宝を 積みや降ろした 積みや降ろした
三つの宝をおし合わせ こなたの庭へ積みや降ろした 積みや降ろした




冒頭の「九里」は

別の「くり」として読むことが可能です


ちなみに

高知県に残る黄金伝承には

「九里いて九里きて九里かえる 旭かがやく白い椿に丘に」

というものがあります


こなた とは 常世のこと


「朝日なす輝く宮 夕日なす光る宮に (略) 常世の宮に静まり坐せと申す」

という言葉がその祝詞に含まれている神と

椿に縁がある存在は、

ひとつらなりのモノ(エネルギー)の現れとして

理解することができます



白という文字が付されるものも しかり


私の中では

「くり」なるものに行き着くのでした


とはいえ

“みたから”を発見したわけではありません(笑)