Ryu 【その5】
八事の杜をひと通り歩き終えて
時計を見ると
ライブまでの時間が微妙なものでした
遅めのランチでしたので
それほどお腹は空いていませんでしたが
ライブが終わる20時まで保つように
軽くお腹に入れておこうか…
と考えつつも
時間があったら寄ってみようかなと思っていた石のお店が
頭に浮かんでいました
それは
9月に「“うま”のひ」へと導いてくれたアネラつながりで知ったお店
<「“うま”のひ」へ導いたアネラ。写真はこちらよりお借りしました。>
<今回の旅の後押しをしてくれたアネラ。写真はこちらからお借りしました。>
そして、こちらの記事の「補記」に書いた
“新たに確定した旅”
とは
まさに今回のこの旅なのでした
第二次石ブームはもう終息しつつあり
どうしても石を見たいという気持ちがあったわけではないのですが
それでも何か気になっていました
*
確かこのお寺から歩いて行ける距離だったような…と
グーグルマップにお店の名前を打ち込むと
出て来た場所は
地下鉄で二駅行ったところ
「あれ?」
と思いながらも
時計とにらめっこをしつつ
「さっと眺めるだけでいいか」
と
そのお店へと向かったのでした
*
本山駅で降りて
本山といえば
月の初めに登った山がある町も本山だったなぁ…
なんてことを思いながら辿りついたそのお店
扉を開けると
HPで見知っていたオーナーが数人のスタッフと共にそこにいました
しかし店内を見渡すと
思っていたほど石がありません
対応して下ったスタッフの方と話すうち
私は石のお店である本店ではなく
岩盤浴のお店の方へ来てしまっていたことが判明
オーナーがこちらの店舗にいることはそれほどなく
その日はたまたま用事があってのことでした
(この状況も「“うま”のひ 」と重なります。笑)
「オーナーに会いにいらしたんですね」
というスタッフの方の言葉に
「そうかもしれない」と(笑)
オーナーにそんなことを話していた時
ふと天白川でのことが思い出され
「変な話ですけれど…」と
白龍のイメージが浮かんだことを話すと
私が天白の地を そして嶋田神社を訪ねるきっかけとなった
愛智神話の伝承者である牧勝昭さんの名前が
オーナーの口から出て来ました
その後どういう展開になったのかは覚えていませんが
本店にある白龍を見たほうが良いということとなり
これから行くとおっしゃるオーナーの車に便乗させていただき
もともと訪ねようと思っていた本店へと向かったのでした
*
本店に入って白龍の元へ案内されたのですが
白龍が目に入った途端
なにか背中がゾワゾワして
仙骨まわりもガクガクと反応し
足がそれ以上前に進みません
<お店にあったのは中央の白龍。写真はこちらよりお借りしました。>
エネルギー的な現象や反応にはオーナーを始めスタッフの皆さんは慣れたもの
「ゾワゾワします」
「近寄れません」
「うわぁ…なぜか涙が出てきました」
という私に
ヒマラヤオイルやお茶を処方してくださり…
お店の外で新鮮な空気を吸いながら落ち着いた頃に
「龍が呼んでいます」
と声が掛けられ 店の中へ
もう先ほどの白龍を見ても反応はありませんでした
そしてさらに奥へ行くと
先ほどの白龍の本当の姿…本当のエネルギーを描いたとされる絵がありました
<写真はこちらよりお借りしました>
オーナーが 龍を描く弥生さんという方の個展をちょっとだけ見に行ったところ
ライブ・ペインティングが始まったそう
ひょいと顔を動かしたら 牧勝昭さんの顔が目に入り
共にすぐに帰るつもりで来ていたのが
いろいろなことがあって すぐには帰れなくなり
「今日はおめでたい日です」
「はな、ですから」
という牧さんが何度も繰り返す意味不明な言葉とともに
どう考えても牧さんがオーナーに橋渡ししているとしか思えない状況があり
そんなこんなで
画家の弥生さんがセットで販売するとした白龍の二つの絵が
オーナーの元へとやって来たそうです
そして、そのライブ・ペインティングであらわれた龍の隣には
牧さんから贈られたという
大きく御嶽山と龍が描かれた古布が掛かっていました
牧さんが伝える愛智神話では
御嶽山が重要な山なのだそうです
その龍は御嶽山の龍なのでしょうか
どんどん色が変わってくると
オーナーがおっしゃる御嶽山と龍
一見くすんだ青に見える龍の色は
私に
聖母マリアが晩年を過ごしたと言われる家の近くの湧き水で浄化した
かなしみも苦しみも痛みも抱き癒すかのような
落ち着いた深い青…マリア・ブルーの色を思い起こさせました
<写真はこちらのサイトよりお借りしました>
御嶽山と龍を見ていると
その深い青に癒されたのでしょうか
スッと
私の場が禊がれたように清々しい何かが流れ
何かが落着しました
本山のお店へ伺ってから一時間も経っていない
多分30分ぐらいの間にギュッと詰め込まれた濃い出来事
*
「それではライブに向かいます」
*
本店から興正寺までは やはり歩いて行ける距離で
昼間の散歩の時に杜を端まで歩いていたのが幸いしました
お寺の山手通門へ抜けた際に目に留まった電気屋さんのデカデカとした看板が
とっぷり日が暮れた町でライトに照らされ
頼もしい道しるべとなってくれたのです
少し早足で
昼間の記憶を頼りに近道したつもりが分からなくなって
来た道を戻ったりしながら
ライブ会場のライブラリーサロン華宮に到着したのは
開場直後のドンピシャの時刻
なんだか夢を見ているような
どこか違う世界にいるような
不思議な感覚に包まれていました
【つづく】