美という自然
この数日のあたたかさで
庭のスモモは
満開で、
窓を開けると
ひかえめな香りが
そ っ と
流れてきます
その香りに寄り添うように
部屋に活けた
フリージアの香りが
はるの
やわらかな あかるさを
運んできてくれます
色と香りのはたらきには
まだまだ窺い知れぬものがあるのでしょう
染められた色や
取り出された香りも
よいですが、
やはり
自然の色と香りの
押しつけのない“自然さ”に
勝るものはないようにも
思えます
全体性を保持した
「ひとつ」
のものは
これみよがしでもなく
押し付けがましくもなく
ごくごく自然なのかもしれません
『LA BELLEZA』で歌われる
「美(la Belleza)」
のように…
*
Cuando la belleza pase
quizás
no nos demos cuenta
美が通り過ぎるとき
たぶん
わたしたちは気づかない
*