場を支える
ここ数年は かつて毎日のように聴いていた音楽をほとんど聴かなくなり
大勢の人が集まる場所も得意ではないのですが
なぜか このフェスティバルの二日目 私は幕張の会場にいました
(「脱原発」は
“地球を破壊することのない社会”を志向する私のベクトルと 重なりますから
このフェスティバルのメッセージに 違和感はありませんでした
ただ
人が集まることで生じる 集合的な無意識と
それに飲み込まれる人々の中にいることを
好まない というだけなのです)
このイベントでは
「場を支える」ことの大切さと重要性を
改めて 実感することができました
私にとってそれは
イベント全体を通して というよりも
私が観た3つのセッションの場において
強く感じたことでした
それはまた
「音楽の学校」というテレビ番組で、
山下洋輔さんがその場を支えることによって
参加していた人たちが 自由に自らを表現していた
あの 歓びに満ちた開放感 を
思い起こさせるものでした
坂本龍一さんが
忌野清志郎さんが
細野晴臣さんが
それぞれのセッションにおいて
観客をも含めた「場」を支えていた
ように
私には感じられたのです
どれだけ熱い演奏をしていても
飲み込まれずに
どこか醒めて 全体を俯瞰している
そんなまなざし ありかた を
見せていただいた日でした
坂本龍一さんが 福島県出身のミュージシャンと一緒に演奏した「aqua」に
坂本さんの 豊かな母性 を感じました
この日までのお気に入りだった演奏では
おそるおそる
内なる母性を表現している
ような印象があったのですが、
今回の演奏は
躊躇なく
自然に
母性が表わされていたように思います
(注)ここで言う母性とは 育み支えるエネルギー というようなものになるでしょうか
父性ー母性 という ステレオタイプ的な既成概念に基づく表現ですが
よりよい概念が見つからないものですから
母性という言葉を使わせていただきました