おりおりに 出逢った      「すきなもの」を      縦横無尽に ご紹介
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カカオ









バレンタインデーを意識した編成なのでしょうか、

気がつくと

チョコレートをテーマにした番組を

続けて2つ観ていました




ここ数年

カラダがチョコを欲する傾向にあるので

「チョコレート」や「カカオ」



敏感になっていたのかもしれません




一つ目の番組は

2000年に公開された

映画「ショコラ(Chocolat)」




その中で出てきた

“唐辛子入りのチョコレート“



気になり、

数年前の記憶を手繰り寄せて

コロンビア産のトリニタオ種カカオにインド産の唐辛子が入ったものを

食べてみました













カカオは

紀元前二千年ごろから

メキシコを中心とするメソアメリカで

利用されていたと言います




カカオと名付けたのはオルメカの人々とのことですが

[*当初の呼称は カカワ(kakawa)とのこと]

もっともカカオを愛し活用したのは

マヤの人たちだったようです


(それにちなんで

映画「ショコラ」の主人公は

店の名前を「Maya」にしたのでしょう)




栄養豊富なカカオは

古くから

栄養源や万能薬として利用されており、

乾燥させたものを石臼で挽き

水や唐辛子やスパイスを加えて煮込んで

泡が出るまで丹念にかき混ぜ

飲んでいたのだそう

(ウェブでちらっと検索した程度ですが、

カカオやチョコの歴史は

なかなか興味深いです)




私が

数年前に敬遠した

唐辛子入りチョコ



今回 食べてみたいと思ったのは、

それが

神聖な儀式で使われた

古のレシピである



その映画の中で言っていたからでした

(私の記憶が正しければ、ですが。。。)




飲み物だった当時とは異なる姿カタチ

となった

唐辛子入りのチョコレート

は、

口の中で溶けている間は

チョコの甘さが際立っていて

唐辛子の存在はあまり感じられないのですが、

口の中のものが喉を通っていった後に

ぴりり

とした

程よい刺激が

口腔を満たします



でも

期待していた

ときめく「+α」は

感じられませんでした。。。













二つ目の番組は

パリで行われるチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」



テーマにしたものでした




その中に出てきた

カカオの実が乳房にように全身に飾り付けられた香炉

[*上掲の写真を参照ください]



古の世界に共通する

豊穣を象徴する象形そのもの



縄文のヴィーナス



呼んでみたくなります




木の幹に花が咲き

直接幹から実がなる

カカオは、

初めてそれを見たものに

強い印象を残したであろうことは

想像に難くありません




カカオの学名

Theobroma cacao



神の食べ物 カカオ



意味します




いま

私が一番気に入っているのは、

最も古い品種であり

一時期は

病害虫に弱いため 壊滅状態に陥ったという

クリオロ種



カカオ豆を


ローストしただけのものです




クリオロ種は

カカオの主な品種の中で

渋みが少なく

香りや風味が繊細なのだとか






 






この文章を書くにあたり

もう一度

録画していた「ショコラ」を流して観たところ、

唐辛子入りのチョコが

次ような場面で出てきました





店主のヴィアンヌが

客の目の前で

不思議な円盤を

勢い良く回転させ、

ロールシャッハテストのように

そこに何が見えるか

尋ねます




尋ねられた女性の答えは

「荒馬にまたがる女」



それを聞いたヴィアンヌが

あなたにぴったりのチョコがあるといって差し出したのが

「少量の唐辛子が

甘さを引き立てる

冒険的な味」



チョコでした




味見して気に入った女性が

夫からのプレゼントに見えるように包装してほしいと言って

それを買い求めると、

ヴィアンヌは

“ご主人へのプレゼント”として

ある品を渡します




「グアテマラのカカオ豆よ。情熱を呼び覚ますわ」




クリオロ種は

メキシコからベネズエラにかけての地域で栽培されてきたようですから

ヴィアンヌがプレゼントしたカカオ豆は

クリオロ種なのかもしれません




この夫婦は

ヴィアンヌのチョコをきっかけにして

夫婦の間に

情熱を取り戻していくのでした







そこで

ふと我にかえりました




その両方を

採っている、

しかも

カカオ豆を好んで毎日食べている私って

(チリ入りチョコも結構気に入りましたし)

いったい…





いま

冒険を求め

情熱を呼び覚ましているのでしょうか







【余談】


カカワ/カカオの意味や語源は

わかっていないようですが、

日本語にもある

「カカ」という音には

個人的に惹かれるものがあります




あるサイトに

「母親の呼称は ハハよりもカカの方が古く

さらに

父親の呼称であるチチよりも カカの方が古く

神の語源と関係がある

という説明を聞いたことがある」

との記述がありました


[*チチは 「乳」でもあり

カカともつながってくるのが おもしろいところ。

スペイン語のカカ(caca)が 排泄物を意味するのも

「カカ」という音が

根源的なものとつながっている

からのように思えます。]





栄養豊かな

豊穣のシンボル

カカワ/カカオ



ハハ







つながるのは理解できます




となると

チチカカ

という

湖の呼称が

気になってくるのでありました