開かれた可能性
ふと目にとまった
「回」
の
金文文字
を
書いてみました
<金文の「回」。ウィクショナリーより>
回
という文字は
『常用字解』によれば
【象形。淵などでぐるぐるまわる水の形。
それで「まわる、まわす、めぐる」の意味となり、
まわることから、
「かえる」の意味ともなる。
淵(えん、ふち)も水がぐるぐる回って流れる形を示す時である。】
とのこと
この絵を家人に見せたら
「Gってかいたの?」
と
確かに
GにもCにも見えます
『アルファベットの事典』によれば
Cの文字の起源は
原シナイ文字とフェニキア文字の第3番目の文字「ギメル(GHIMEL)」であり
そこからギリシア文字「ガンマ(GAMMA)」が生まれ
そしてローマ字に比較的遅く現れた
Gの文字は
そのギメルとガンマを間接の祖先とするのだそうです
*
【 C 】
ギメルの起源と変化については、長いこと次のような説が信じられてきた。
すなわち、ギメルは
ラクダを意味するヘブライ語「ガマル(ローマ字表記でgamal)」の最初の文字である。
初期の絵文字は、ラクダの瘤か首のような形(ך)だったが
やがて直立し
右に向きを変えて、ギリシア文字のガンマ(Γ)となった、と。
しかし今日ではこの説のかわりに、別の解釈が注目されている。
そのひとつによれば、
数字の7に似たギメルの形は
投げ棒ぁブーメランをあらわし、運動の概念を含んでいるという。
また、別の説によれば、
魚を捕るための銛のようなものをあらわしているという。
(略)
Cという字は円周の一部をなしている。
それは完全に閉じた円周ではなく、
右側に開口部があり、
来るべきものの方に開いているように見える。
この開口部は、
卵が割れて中から新しい生き物が世界の発見に乗りだすように、
囲いの外に出る可能性をあらわしている。
こうしてアレフ(ALEPH)に含まれていた精気と創造力は、
ベート(BETH)があらわす家にしばらく住んだあと、
束縛を断ち切って外界へ飛び出してゆく。
【 G 】
大文字Gのデザインのもとにある渦巻き形は、
昔から豊穣、生命、成長のシンボルだった。
その形は
運動、とくに回転運動を連想させる。
Gは gyrocompas、gyroscope(ジャイロコンパス、ジャイロスコープ)といった単語の
接頭辞gyroの頭文字でもあるのだ
(gyroの語源は回転運動、円周、輪を意味するguros)。
Gはまた
grain(種子)をはじめ、
germe(胚)、gamète(配偶子)、genèse(起源)の頭文字であることから
「生命」という要素をふくみ、
誕生のシンボルでもある。
さらに大地とも関係があることは、
géographie、géométrie(地理、幾何学)の接頭辞géoや、
地球を意味するGe、Gaiaなどの言葉をみればわかる。
*
その本に
Plenitudo
“余すところなき成長”を意味すると記される
「ギメル」
「回」という文字も
閉じられた場の 水の回転、ではなく
余すところなく成長してゆく
運動や流れ
を
あわらしているように思えます
ヒトが形や型に託すものは
もちろん異なることもありますが
原初の単音の発声が多分そうであるように
根底では
通じているように感じれらるのです