山道を分け入る十の月
旅から戻って
一夜明けると
新たな月になっていました
季節の和菓子の文様が描かれた暦
の
十月は
「山分(やまわけ)」
儲けを山分けする
というような使い方しか思い浮かばない私は
暦の説明を読んで
新たな意味を知りました
ーー山道を分け入ることーー
“黄色の対角線の左右を紅白に染め分けた意匠は、
色づく山の奥へと続く小道のようにも見えます。
人里を離れるにつれ、
深まる秋が思われます。”
*
「十」
の字源は、
ウィクショナリーによれば
“まとめて一本「I」にすることから
後にまとめたことがわかるように中央部がふくれた”
指事文字とのこと
(算木や針の象形 という説もあるようです)
<左から「甲骨文字」「金文」「大篆」の文字。
ウィクショナリーからお借りしました。>
「一」を積み重ねてゆき
10個になったときに 1本の縦線として描く
という発想は
私にはとても身近に感じられます
*
個人的に
今年の九月は、
20年以上お世話になっていた方から
思いがけず
離れることとなり、
また
他のことにおいても
そのこととシンクロニシティーを覚えることがあり、
これまでの歩みが 横線「一」の積み重ねとすると
桁が変わって「十」になる方向へと
シフトしているかのような時期でした
*
次に何が待っているのかは
わかりません
ただ
あらたに
山道を分け入る
十の月
です
<雷鳴 小雨 狐の嫁入り 大雨 曇天 青空 吹き降り にわか雨…
登山口ではちらりと雹も落ちてきて
猫の目のように変わる
ゴージャスなフルコースのような天気でしたが
中秋の名月もスーパームーンもたのしむことができました>
<泊まった部屋に掛かっていた
墨絵のような山の写真>