成長する星のしくみ
国立天文台が参加する国際研究チームが
おおかみ座の方向に 地球から約450光年の距離にある
HD142527という若い恒星で
外側を取り巻くガスと塵の環から 内側の星に向かう
“へその緒”のような 二本の流れを
確認したことが、
1月2日に公開されました。
理論研究では
巨大ガス惑星に そのような“へその緒”があると 考えられてきたものの、
実際にその存在を観測できたのは
今回が初めてとのこと。
物質宇宙を知ることができる成果としてはもちろんのこと
個人的には
意識領域のメタファとしても 観じることができるので
とても興味深く思っています。
【画像の説明(アルマ望遠鏡のサイト「ALMA」より)】
アルマ望遠鏡がとらえた HD142527のまわりのガスと塵の円盤。
外側の円盤にある塵の分布を赤
外側の円盤とそこから内側に流れ込むガス(HCO+分子)の分布を緑
「すきま」の中に残るガス(一酸化炭素分子)の分布を青
に色付けしています。
外側の円盤から流れ込むガスは
時計の3時の方向と10時の方向に見えています。
外側の円盤の大きさは約500億km(太陽と海王星の間の距離のおよそ11倍)にも及びます。
こちらは
HD142527の円盤のイメージ図
こちらは
観測画像とイメージ図を比較したもの
詳しくはアルマ望遠鏡のサイトの該当ページへ
懐かしい宇宙
以前 受講した宇宙に関する講座で
地球上のある地点から
視点が徐々に上昇しながら
地球
太陽系
銀河
銀河団
…
と
宇宙を俯瞰するシュミレーションを
見せていただいたことがあります
同様のアプローチによる本が
日本で出版されていました
10xメートルの対数で記されていく 宇宙の地図
そのどれもが
なぜか
なつかしく思えるのでした
遠くを観ることは
過去を観ること
いま という この場所から
137億年の歴史を俯瞰することができる
(現段階では 電磁波で観測可能な「宇宙の晴れ上がり」の地点まで)
不思議さ
電磁波という「光」によって
一体となった時空を
実感することができます
『重力とは何か』によれば
観測できる最大値の宇宙の果ては 「10億×10億×10億メートル」のスケール
片や 観測できる最小のスケールは 「10億×10億分の1メートル」
なにか シンプルな法則が潜んでいるような印象を持ってしまう
数字です
いま
10億×10億×10億メートルの地点で
マクロな世界が
10億×10億分の1メートルのミクロな世界と
つながりつつあるようです