おりおりに 出逢った      「すきなもの」を      縦横無尽に ご紹介
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A BOOK
















book < Proto-German bokiz “beech”



















































樹木のアルファベット「オガム文字」は、

文書を書き残すための文字ではなく、

魔術のための文字であった。

一文字一文字に神秘のメッセージが秘められ、

ドルイドたちは木片に刻むことで、

天候や政治、医療などあらゆる面で願望を実現した。





葉のついたブナの枝に、ナナカマドを象徴するオガム文字を刻んで身につけると、

芸術的創造力が高まり、

戦いに勝利するにはヒイラギを象徴する文字を刻めばよい。




古代北欧でも、

神秘の古代文字ルーンが最初に刻まれたのはブナだった

と伝えられている。




最高神オーディンが司るルーン文字も、樹木に刻むことで秘術的な力を発揮した。




やがて、ブナは優れた書物の作り手となった。

最初の書物は、

ブナを薄い板状に切って、束ねてつくられたと伝えられる。

ブナの板は美しい木目模様をもち、

とてもなめらかで、平らな表面を生み出すため、

文字を刻みやすかったからだ。

この事実は世界の言葉の中に残っており、

古英語のアングロ・サクソン語で「boc」はブナ、

現在の「book」はブナが語源である。

ドイツ語でも「ブナ buche」が「本 buch」になり、

アイスランド語でも「bók」は本をさす。

スウェーデン語の「bok」には、ブナと本との両方の意味がある。




一本のブナは、

あなた自身である。








<『古代ケルト 聖なる樹の教え』より>
(*一部、表記上の都合により省略・変更あり)