おりおりに 出逢った      「すきなもの」を      縦横無尽に ご紹介
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美しく生まれ変わる















も の に


新 た な 息 吹 を


美 し く


吹 き 込 む


黒 田 さ ん の 個 展 で す







あと











先日訪ねた先に

江戸・宝暦年間に飛騨三長者と呼ばれた方の住まいが

移築されていました




この家があった地域が

ダム建設によって水没することになったため

持ち主が寄贈されたとか




ノミの痕が印象的な柱は

写真に撮ってみると

まるで

現代美術のオブジェのようです




やわらかく波打つ

艶やかな

木肌を見ていると

当時の息吹が伝わってくるような気がします




時空を超えて存在してきたものを

実際に

この手に触れることができる

不思議




確かな存在感と

いまここには存在していないけれど

確かに感じ取ることができる


そこに刻まれた痕跡




つくづく

「物」



おもしろい




「物」

という場において

顕在と潜在

現在と過去



ひとつらなりになり

それが新たな生命を得て

生き生きと

わたしたちに語りかけてくれます




わたしたちが

次代に残し伝えていくものは

名でも業績でもなく

そんな

いのちのいぶき

なのかもしれません









<板を貼りわせたように見える階段の踏み板
こちらも彫りによる模様です>


きのいえ







今日、

木材コーディネーターである知人がチームの一人として関わっている

建築現場を伺いました



手刻みの 天然乾燥の国産材を使い

「渡り顎(わたりあご)工法」という伝統工法で建てられている 住宅です



「ほんとうは金物は使いたくない」

とおっしゃる棟梁の現場だけあって

ほとんどが

木組みと木栓(もくせん)やクサビで納められています



軒は1.5メートル取りたかったそうですが

敷地の関係で

残念ながら そうできなかった場所も


1.5メートルの軒ならば

雨が降っても家の周りを濡れずに歩くことができるとのことで、

それだけ雨から守られるということは

家の痛み具合も 随分違ってくるのでしょう



今月2日に上棟を終えた現場は

どっしりとした木組みの空間に

木のかぐわしさと

あたたかな職人さんたちの雰囲気が満ちていて、

そこにいるだけで

安らぎます


まるで

晴れた日の森の中にいるような…



木槌の響く音も

心地よく

周囲の緑に溶け込んでいくのでした



 

木のうつわ









先月訪ねた先で案内してもらった

漆の職人さんのお店で

注文していた

曲げわっぱの湯呑みとぐい飲みが

届きました



こんなにも細やかで美しい留めの編みを見たのは

初めてです



曲げわっぱは 東北のイメージが強かったのですが

西日本でも こんな素晴らしい品をつくってらっしゃる方がいること 

そして

接着剤を用いるわっぱが多い現在

薬剤を使わず昔ながらの方法を踏襲していることが

とても嬉しくて…



どんなものを入れても変質しない漆も

唯一 紫外線で劣化すると思っていたところ

この塗師さんが言うには

変色はするけれど

強度は落ちない とのこと




漆器や木器は

熱々のお湯を入れても

手にはやさしい熱しか伝わりません

そして

モノとしても

持つ手にやわらかく、

気がつくと

このところ 木の食器を使うことが増えています



陶磁器のリサイクルが進まない一方で

陶土を採るために山が削られ続けている現状を考えると

もっと木器が使われるようになればいいな

と思います



そして

少なくとも縄文初期から使われていた漆の

物質的な可能性が注目されつつありますが、

今の生活でも

もっと活かされてほしいなぁ

とも思うのでした